生殖医療の在り方
性同一性障害gidの生殖医療について
多くの性同一性障害GID/MTF・FTM、性別違和の人たちが、 将来、もしかして、子どもを持ちたいと思うかもしれません。
ホルモン治療や性適合手術(SRS)を受けたのちに、自分と遺伝的につながりのある子どもを持つのが不可能になったことを悔やむ場合もあることも知られています。
たとえ当事者が治療を始めるときに生殖能力の問題に興味を持っていないとしても、こうした問題が後になって持ち上がるかもしれません。、また当事者が若い場合にはなおさら自分とは関係のない問題と思うかもしれません。
女性化、男性化を促すホルモン治療、生殖器官を切除する手術をすると、生殖能力がなくなるため、ホルモン治療前や、生殖線(睾丸、卵巣)を切除する手術を開始する前に、生殖能力について当事者が自ら決定することが望ましいといえます。
医療機関などの医師と将来の生殖についての選択肢を早めに話し合うことが望まれますが、常に可能な訳ではありません。もし、ある当事者が性別適合手術(SRS)をまだ行っていなければ、ホルモン治療を長期に中断することで、元の性のホルモンに回復させてから、精子もしくは卵子を産生することが可能になるかもしれません。
性別違和に対して様々な医学的治療を受けている個々人の生殖の問題について、生殖に関する論議や意見を述べた論文を除くと、研究論文はほとんど報告されていません。
生殖機能を温存する必要に直面している別の人たち、例えば、がんのため、生殖腺(卵巣、精巣)を切除しなければならない人たち、生殖機能を損傷する放射線療法や化学療法を受ける人たちの例があります。
こうした人たちから得られる情報が、性同一性障害(GID)のために、今後治療を受ける人々にも応用可能となるかもしれません。